生い立ちと家族
木村昴(きむら すばる)さんは、1990年6月29日にドイツ・ライプツィヒで生まれました。オペラ歌手の父と声楽家の母という音楽に深く根ざした家庭で育った彼は、自然と音楽に対する感受性が育まれました。父はクラシック音楽の世界で活動し、母はバロック音楽のソリストとして知られています。また、妹の木村飛鳥さんも女優として活躍しており、まさに芸能一家と言えます。
彼が7歳の時、日本に移住し、全く日本語が話せない状態で公立の小学校に入学しました。最初は言葉の壁に苦しんだものの、教師や同級生とのコミュニケーションを通じて日本語を習得。日本に移ったことで新たな文化や表現に触れることができ、後のキャリアに大きな影響を与えました。
キャリアのスタート
木村さんのエンターテイメントキャリアは、2002年にミュージカル『アニー』でタップダンサーとして始まりました。この経験を通じて、彼は舞台上での表現力や演技力を養いました。その後、2005年には『ドラえもん』のジャイアン(剛田武)役で声優デビューを果たし、これが彼のキャリアの転機となりました。ジャイアンというキャラクターは、彼にとって非常に大きな役割を果たし、その後の仕事においても重要な基盤となります。
ジャイアン役は、彼にとって単なる役以上のものでした。木村さんは「ジャイアンは自分の分身のような存在」と語るほど、このキャラクターに愛着を持っています。
代表作一覧
- 『ドラえもん』 – ジャイアン(剛田武)
- 『輪るピングドラム』 – 高倉冠葉
- 『ヒプノシスマイク』 – 好良瓶太郎
おはスタでの活躍
木村昴さんは、現在も人気の子供向け番組『おはスタ』のメインMCを務めています。この番組では、様々なコーナーを担当し、子供たちに夢や楽しさを届けています。特に、当時山寺宏一さんがMCをされていた時代に視聴していた私にとって、木村さんがその役割を引き継いでいることに驚きを感じました。彼の明るいキャラクターと独特のトーク力は、多くの視聴者に親しまれ、懐かしい思い出を呼び起こしてくれます。
『おはスタ』では、旬のゲストを招いたインタビューや、視聴者参加型の企画を通じて、楽しい雰囲気を作り出しています。木村さん自身のパーソナルな一面を見せることで、子供たちとの距離感を縮めることにも成功しています。彼の存在は、番組の雰囲気を明るくし、視聴者に元気を与える重要な役割を果たしています。
たてかべ和也さんとの思い出
木村さんの声優キャリアにおいて、先代のたてかべ和也さんとのエピソードは特別です。2005年のデビュー時、木村さんは先輩声優との交流が制限されていた中で、ドラえもん役の水田わさびさんを通じてこっそりとたてかべさんに会うことにしたそうです。悩んでいたからこそ、藁をもつかむ思いだったようです。食事を共にする中で、木村さんは「ジャイアンをどう演じていたのか」と尋ねましたが、たてかべさんは「ジャイアンは昴のもんだから、俺がとやかく言うことはないよ」とあっさり答えたそうです。長年演じた役を、未練なく引き継いだ様を感じるこのエピソードに、たてかべさんの格好良さや憧れを感じます。
多彩な活動
木村さんは声優業だけでなく、タレントやラッパー、俳優としても多彩に活動しています。最近では、YouTubeチャンネル「きむすばチャンネル【ON】」を開設し、ゲーム実況やトーク番組を配信。彼の日常や裏話、ファンとの交流を大切にしたコンテンツが、多くの視聴者に親しまれています。
また、舞台製作にも力を入れており、自身が主宰する「天才劇団バカバッカ」では、独自の演出や作品を通じて新しいエンターテイメントを追求しています。木村昴さんは、たてかべ和也さんの教えを胸に、これからも声優としての道を歩んでいくことでしょう。
コメント