最近、佐々木朗希選手がポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦するというニュースを目にしました。
そのニュースを見た瞬間、「ポスティングシステム」って具体的にどういう仕組みなんだろう?と思ったんです。正直、ポスティングシステムとFA権の違いがイマイチ理解できていなかったんですよね。
せっかくなので、この機会にまとめてみました。
ポスティングシステムとは?
ポスティングシステムは、特に日本のプロ野球選手がメジャーリーグ(MLB)に移籍するために使う仕組みです。簡単に言うと、選手が「メジャーリーグに挑戦したい」と思ったときに、所属している日本の球団に許可を得て、MLBのチームと契約交渉を行うための道を開くシステムです。
このシステムを利用すると、選手が所属する球団と、メジャーリーグの球団が交渉し、最も高い金額を支払った球団が選手との契約交渉権を獲得します。もし契約が成立すれば、選手はメジャーリーガーとして新たなキャリアをスタートさせることができます。
FA権との違い
では、FA権とはどう違うのでしょうか? FA権(フリーエージェント権)というのは、選手が一定の年数、例えば6年以上のプロ経験を積んだ後に与えられる権利です。この権利を持っている選手は、所属している球団との契約が終了した後、他の球団と自由に契約を結ぶことができます。
一方、ポスティングシステムは、まだFA権を持っていない選手が使うものです。つまり、FA権を得る前に、メジャーリーグなどの海外リーグに挑戦したいと考えた場合に使える道がポスティングシステムなのです。
佐々木朗希選手がポスティングを選んだ理由
佐々木朗希選手のように、メジャーリーグを目指す若い選手にとって、ポスティングシステムを使うことは、大きなチャンスです。もちろん、すぐにFA権を得ることができるわけではないので、若いうちにポスティングを利用して、世界最高の舞台でプレーする機会を得ることができるのは、非常に大きな意味があります。
佐々木選手の場合、これまでの成績やそのポテンシャルを考えれば、メジャーリーグの球団から非常に高い評価を受けていると予想されます。ポスティングシステムを通じて、世界中の強豪チームと交渉することができ、どのチームと契約を結ぶかを自分で選べるという自由度もあります。
実際にどういった流れで進むのか?
ポスティングシステムを利用するには、まず選手が「ポスティング申請」を行い、所属する球団の了承を得る必要があります。その後、MLBの球団が入札を行い、最も高い入札額を提示したチームが選手と契約交渉を行う権利を得ます。その期間は45日間で、交渉が成立しなければ移籍は実現しません。
もし契約が成立すれば、元のNPB球団は、メジャーリーグ球団から譲渡金(移籍金)を受け取ることになります。この譲渡金は、選手がどの球団に契約されたか、契約内容によって金額が決まるため、選手の移籍が大きな注目を集めることになります。
ポスティングシステムとFA権のメリット・デメリット
ポスティングシステムとFA権、それぞれにメリットとデメリットが存在します。ここではそのポイントを簡単に説明します。
ポスティングシステムのメリットとデメリット
メリット:
- 選手にとってのチャンス:FA権を得る前でも、早期にメジャーリーグに挑戦するチャンスが得られます。若い選手が自らの可能性を広げるための大きなステップとなります。
- 球団にとっての収益:ポスティングシステムを通じて、選手が移籍する際に得られる譲渡金(移籍金)は、球団にとって大きな収益源となります。
- 選手の選択肢の自由:ポスティングシステムでは、選手が移籍先の球団を選ぶことができます。これにより、選手は自分にとって最も適したチームを選べる自由度が高いです。
デメリット:
- 移籍先が選べない場合がある:入札制のため、選手が希望する球団が入札しなければ、その球団に移籍できない場合があります。
- 不確実性:ポスティングシステムを利用しても、契約が成立するとは限りません。交渉が不成立となれば、翌年まで待たなければならないため、精神的なプレッシャーがかかることがあります。
FA権のメリットとデメリット
メリット:
- 選手の自由度:FA権を持つ選手は、契約終了後に他の球団と自由に交渉することができ、最も好条件の契約を結ぶチャンスがあります。
- 長期契約の可能性:FA選手は、多くの場合、長期契約を結ぶことができ、経済的にも安定する可能性が高いです。
- 球団の柔軟性:球団にとっても、FA選手を獲得することで、契約期間や年俸交渉などに柔軟性が生まれます。
デメリット:
- 年齢や実績が影響:FA市場には多くの選手が登場するため、特に高齢の選手やケガ歴のある選手は、希望通りの契約を得ることが難しくなる場合があります。
- 市場の競争が激しい:FA選手に対する競争が激しく、希望通りの条件が得られない場合があるため、契約交渉が思うように進まないリスクがあります。
結論
ポスティングシステムとFA権は、選手がメジャーリーグや他のリーグに移籍するための重要な手段ですが、それぞれに違いがあります。FA権は契約満了後に他のチームと自由に契約できる権利で、ポスティングシステムはFA権を得ていない選手が海外リーグに挑戦するための制度です。
佐々木朗希選手のような若い才能が、ポスティングシステムを使って新たな挑戦をする姿を見ると、ファンとしてはワクワクしますよね。ポスティングシステムを通じて、選手がどんな選択をするのか、今後の動向が非常に楽しみです。
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